「百年の恋も冷める」なんて言葉がある。
昔、そんなタイトルのドラマもあったようだ。
でも、本当に百年に恋をも冷めさせるほどのものってなんだろう。
その人によって考え方は違うのかもしれない。
私もその一人なのだろう。
休日でも子供たちと遊ぶでもなく、昼前まで惰眠を貪り、
起きてきたと思ったら最初の言葉が「飯は?」である。
私は返事をせずに、食事を用意してテーブルへ運ぶ。
無言で食べ始めたのを確認し、お昼に帰ってくるであろう
子供たちの食事の支度を始める。
子供たちは夫の連れ子だ、でも私にとても懐いてくれている。
子供たちが夫に注意すれば、逆ギレする。
また手を出していないだけマシだ。
でも、逆ギレした次の日から3日間ほどは私にも子供たちにも
とても優しく接してくれる。
それをされてしまっては私は・・・
でも子供たちのためには・・・
なんていつも考えてしまう。
浮気や不倫をしてくれればいい。
あの夫への思いなんてすぐ冷めてしまうのに・・・。
『百年の恋をも冷めさせてほしい』
私はそう思いながら、食事を終えた夫の食器を静かに手に取ったのだった―——。