高校時代の苦い思い出がある。
高校3年間ずっと同じクラスだった女性がいる。
とても綺麗で、学校中でも人気者だった彼女。
隣の席になったこともある。
背中の中ほどまである綺麗な黒髪に陽の光が当たってとても綺麗で、
何度も見惚れた。
ただ、彼女には少々問題があった。
男性にモテる、だから常に男性の姿があった。
年上の男性とホテル街を歩いているのをクラスメイトや先輩や後輩が何度となく
目撃していた。
高校3年間、一度も彼女はできなかった。
恋愛にはずいぶん奥手になった。
せめて隣が、あなたじゃなければ、人生少しは変わっていたのだろうか。
そう考えながら、今日も自宅と会社の往復を行うのだった。
『せめて隣が、あなたじゃなければ』